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 海外マーケットは、鉄鋼関連製品を取り巻く環境は、概ね、各国で底入れ機運が台頭してきているものの、本格的な反転には至っていません。特に中国において、政府による景気刺激策により、鉄鋼需給の大幅な改善に期待が寄せられいますが、足元では総じて鋼材市況は様子見となっています。一方、米国では大統領選挙の結果を受け、今後の新体制下における更なる景気浮揚への期待も高まっており、来年に向け、国内消費の拡大による鉄鋼需要の増加次第では鋼材の取引価格の上昇が予想されますが、引き続き、世界の経済動向と金融政策の他に鉄鋼需給の変化について注視してまいります。
 国内マーケットは、建材製品では、建設関連業種における労働力不足に始まり、設備や労務コストの上昇による影響が色濃く残り、予定案件は増加をして来ているものの、足元でも施工会社の受注調整が続いている結果、全国的に鋼材需要は低位で推移をしています。然し、市中在庫は品種やサイズにより品薄や歯抜けが見られ、鉄鋼メ-カ-への現物の問合せも多くなっていることから、これまで下落傾向が続いていた鋼材市況は下げ渋りから底打ちへと転じつつあります。今後の各種建設工事の進捗次第ではありますが、荷動きの増加に伴う市況の回復が待たれるところです。
 鋼板品種では、各種の製造業向けにおいて目立った需要の回復には至っていません。また建設需要の低調さも影響し、商況は切板を含めて盛り上がりに欠ける状況にあります。他方で、これまで市況下押しの要因となっていた輸入鋼材は、円安のため対日向けオファ-価格の値下がり懸念は和らぎ、今後の需要の回復次第では、国内鉄鋼メ-カ-の供給抑制姿勢と相まって、需給バランスの改善が見込まれます。年末に向け鋼材市況は底打ち感が強まることが期待されますが、引き続き、国内外の需給動向を注視していきます。
 以上のような状況の下、前月と同様に、足元の国内外のマ-ケット状況を鑑み、鋼材市況の早期底入れを図るため、今月は全品種据え置きといたします。
 引き続き、需要に見合った生産を継続し、需給の調整に努めます。

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